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日本経済新聞に先月に続いての弊社記事が掲載されました

半導体製造装置の組み立てと部品加工をてがける日本ファインテック(福岡県宮若市)は約20億円を投じ、組み立て能力などを増強する。2022年度中に組み立てを担う本社の宮若工場と部品加工の岡垣工場(同県岡垣町)に新棟を稼働させる。半導体製造装置の世界大手、東京エレクトロンから請け負う仕事が中長期で増えると判断して過去最大の投資に踏み切る。

このほど宮若工場に約6億5000万円を投資し、約900平方メートルのクリーンルームをそなえた新棟を建てて8月下旬に操業を始めた。同工場にはすでに約2000平方メートルのクリーンルームが2つあった。新棟の建設により、装置の組み立て能力はクリーンルームの面積ベースで2割強増える計算になる。

半導体市況については高い成長が続いた反動で調整局面を迎えるとの見方が増えているが、日本ファインテックの平田大輔社長は「一時的な調整があるとしても、東京エレクトロンから将来見込まれる仕事量を考えると、クリーンルームが足りない」と説明する。

岡垣工場では工作機械への約4億円の投資を含め、11億5000万円を投じて新棟を造る。23年1月の稼働を予定する。同社には22年8月中旬時点で、正社員と非正規社員を合わせて約360人が勤務する。半導体事業の成長で直近の約1年間に約70人増えたが、平田氏は「24年末までに正社員を35~45人、非正規社員を45~50人さらに増やしたい」と話す。

半導体製造装置大手の東京エレクトロンは2027年3月期を最終年度とする中期経営計画で、連結売上高を22年3月期比50%増の3兆円以上に伸ばすとの目標を掲げている。生産子会社の東京エレクトロン九州(熊本県合志市)は300億円を投じ、24年秋に開発棟を完成させる計画だ。九州では半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)がソニーグループなどと熊本県菊陽町に新工場を建設中で、24年12月の出荷開始をめざしている。

日本ファインテックは岡垣工場について、将来の追加投資も視野にいれている。平田氏は「当初は現行計画よりもう一段大きい投資を考えたが、半導体市況の不透明感を指摘する声が増えているため、現行の規模にした」と打ち明ける。「一時的な調整の後、市況の回復が確認できれば、もう一度部品の加工能力を増強したい」という。

年間売上高が40億~50億円の日本ファインテックが、単年度で20億円規模の投資をするのは「1974年の設立以来初めて」(平田氏)。21年度の売上高は半導体が約6割、薄型パネルと電子部品が約3割を占める。以前に比べ半導体事業の比重が高まるなか、電子部品事業を成長させることも課題になっている。

このため、スマートフォンやタブレットといった情報端末機器の量産に欠かせない部品のテーピング装置を自社開発した。価格は1台約5000万円(オプションは別)。

同社は過去に米スマホ大手向けに製造装置を開発し、納入したことがある。この実績をテコにまずは国内の電子部品大手などの需要を開拓する。平田氏は「自社開発の製造装置を年間20台以上販売する収益力を身につけることが目標だ」と話す。

(山田健一)

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